カレーと憂鬱と時々電卓

元アーケードゲーム廃人で恐縮ですが、たまにカレーのことも書きます。

日本を腐らせた人たちの思考法

 

 

上司&人事が判定【出世できない男の思考法】

 

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140128-00573300-sspa-soci

 

 この記事は出世できない男の思考法として、「会社に過度な期待を求め、自分の短所や課題を直視しない人」、「最初から苦手分野を自分で定め、興味のある分野しか関心がない人」、「業務とは無関係のビジネス書やセミナーに傾倒する勉強熱心過ぎる人」、「直筆で手紙を書いたり、上司と飲みに行ったりするなどの『一手間』ができない合理的過ぎる人」などというのをあげています。

 

 

 

 

 

 そもそもこの記事は企業の上司・人事担当者が個人の感覚で、「こういうやつは出世しない」という定性的な評価を集計したものなので、残念ながらこのような思考法と年収・社会的地位との相関関係は「なんだか怪しい」といっていいでしょう。

 

 

 

 

 そして、個人的にはこのような思考法の評価自体が「ちょっと怪しすぎる」と感じています。

 

 

 

 

 

 まず、この調査はどこのどれくらいの規模の社員を対象に実施したかが不明です。仮に無作為に200人を抽出したとしても、日本では中小企業の割合が99.7%らしいので、たぶん199人は中小企業の上司・人事担当者でしょう。したがって世の中の大企業と呼ばれる会社で働く、給料が高くて優秀っぽい上司や人事担当者がこの記事と同じように感じているかはよくわかりません。

 

 

 

 

 

 そしてなにより調査対象の年齢が高いのが問題です。このネットの記事に出ているだけでも49歳、50歳、46歳、39歳と平均年齢が高めで、上司・人事担当者というカテゴリということであれば、一般的に考えると40代・50代が主な調査対象者でしょう。下のグラフは、今の50歳の人たちが社会に出た1986年の前後で折れ線の色を分けた実質経済成長率のグラフです。

 

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 このグラフから得られる示唆は、今の40代・50代は「なんだかちょっと不景気な感じがする」と言いながらいろいろと処置を怠り、結果として日本を魅力のない市場にしたということです。したがって個人的には彼らの評価軸というのはちょっとおかしな方向だったりすると感じています。

 

 

 「根性」とか「忍耐」とかマゾヒスティックな言葉を愛する人たちは、根性と忍耐をモットーに我慢し続けることによって日本経済をジリ貧にしてきました。若者がこのように我慢をし続けると近い将来「なんか日本やばくね?」という状況になります。意外と若者はそのことに気付いているので、仕事を早く終わらせてけっこう色々考えながら勉強したりしています。

 

 

 

 

 もちろん精神論も時には必要かもしれません。しかし社内の人間をみんな同じような根性の怪物たちで固めるのは文化的にちょっとマッチョ過ぎて怖い気がします。いたずらにマッチョな文化では「マッチョ脳」な製品やサービスしかうまれません。したがって不思議な評価基準だけを使用して、同じような人だけを育てるのはジリ貧を進めていくだけでおすすめできません。

 

 

 

 「出世できない男の思考法」という上記の記事は、裏を返せば「日本を腐らせた人たちの思考法」がわかる素晴らしい記事かもしれません。個人的には上手にお世辞が言えなくても、たくさん勉強して、たくさん挑戦して、自分の時間を自分でマネジメントできる、会社に依存しきっていない人の方が市場にとって価値のある人間だと思います。